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寄附者インタビュー、ストーリー
名古屋大学「大学発ベンチャー応援事業」へのご支援
今回は、名古屋大学OBで会社起業経験をお持ちの経営者・牧野 様にお話しを伺いました。
将来の日本を背負う若い世代に貢献できること、それが寄附する大きなモチベーションになっているという牧野 様、名古屋大学への愛も垣間見えるその心についてご紹介いたします。
株式会社ミライプロジェクト
代表取締役 牧野隆広 様(1992年 教育学部卒)
その足跡とスタートアップ支援への思い
名古屋大学卒業後、IT業界での営業、経営コンサルタント、投資ファンド運営を経験したのち、名古屋のスタートアップだったエイチームと出会い、取締役として上場を経験しました。
エイチームの上場準備中に父親が他界し、母親の介護が現実的な問題となったことがきっかけで、2013年末にエイチームの非常勤となり、起業したミライプロジェクトで介護・看護事業を開始しています。
介護施設用の土地を探す中で不動産に詳しくなり、銀行さんの支援も得て賃貸マンション経営を始めました。同時にかつてのエイチームのような会社を名古屋から多数生み出したいと思い、スタートアップ支援を行っています。
介護・看護事業とスタートアップ支援は利益よりも地域貢献を重視し、不動産投資を中心とした投資事業で利益を追求して、全社として安定的に経営できる体制を維持できるよう心掛けています。
地元名古屋からもスタートアップ起業を目指す人が増えて欲しい。
Tongali(※)がきっかけとなって寄附を開始しています。
アメリカではニューヨークから遠く離れたシリコンバレーやシアトルなどから多数のスタートアップが生まれていることを考えると、日本でも東京以外のエリアがスタートアップの聖地となってもまったく不思議ではありません。
愛知・名古屋は地理的に日本の中心に位置し、日本が世界に誇る製造業の中心でもあり、リニア開通後は東京にも大阪にも1時間以内で移動できる日本で唯一の政令指定都市になります。
これらを考えると、ビジネスの街、スタートアップの街として日本で最も有利な場所なのではないかと感じています。
エイチームでスタートアップの魅力を肌で感じたため、地元名古屋からもスタートアップ起業を目指す人が増えて欲しいという思いが強くなり、名古屋大学を中心とした大学発スタートアップ支援活動であるTongaliに関わり始めました。
現在は経済学部で講義を担当しながら、名古屋大学の財務戦略室や大学院プログラムなどにも関わらせてもらっており、名古屋から世界に羽ばたくスタートアップを増やすためにも継続的に寄附を行うことができればと考えています。
※Tongaliとは:
2016年度に開始した「Tongaliプロジェクト」は、アントレプレナーシップ教育、アントレプレナー育成、大学発ベンチャー支援を切れ目なく進め、学生や大学発のベンチャー起業数の増加などに貢献しています。名古屋大学特定基金「大学発ベンチャー応援事業」では、事業内容のひとつに、このTongaliプロジェクトへの支援を掲げています。
将来の日本を背負う若い世代に貢献できることも、寄附するモチベーションに。
法人会計上のメリットもあり、有価証券寄附の効用にも期待。
ミライプロジェクトは地域貢献を目的とした事業を中心にしていることもあり、利益の中から毎年複数のところに寄附を行っています。
寄付先の中で、国立大学法人への寄附は100%損金算入できる点が経営者としてはとても寄附しやすいと感じています。
スタートアップ支援がきっかけとなり始めた大学への寄附ですが、将来の日本を背負う若い世代に貢献できることも寄附するモチベーションになっています。
会社として利益に余裕があることが前提にはなりますが、会計上、経費として認められるため、事業活動の一環と位置付けて、今後も毎年継続していきたいと考えています。
また、有価証券を寄附することで大学に安定株主になってもらい、利益が出た年に配当で大学の活動に貢献するという形が実現できれば理想的だとも思っています。
将来、日本の成長を支える人材が多数生まれることを期待して。
私自身は文系の教育学部を卒業していますが、ここ数年の大学との関わりの中で、理系の最先端研究の重要性を実感しました。名古屋のスタートアップが増えて世界に羽ばたくためには、名古屋大学の理系分野にも、世界中から益々優秀な学生が集まってくるようにならなければ、と感じています。米中の貿易摩擦や新型コロナウイルスによるさまざまな制限に直面していることもあり、日本が最先端技術をリードすることの重要性を痛感しています。
高校、大学、企業が相互に交流し、将来、日本の成長を支える人材が多数生まれることを期待して、今後も大学に関わっていきたいと思っています。
激変する環境の中でチャンスをつかめ!
新型コロナウイルスの影響でアルバイト先がなくなった学生も多いと聞きますが、学生のうちに世界的な感染症のリスクを体験できたことはとてもラッキーだと思います。新型コロナウイルスと共存する世界で何を目指すべきなのか、どんな生き方をすべきなのか、どんなビジネスが伸びていくのか、をしっかり考えて、激変する環境の中でチャンスをつかんでください。
学生は既に社会人になっている人たちと比べて相対的には失うものが少なく、若いアタマで柔軟に対応して進化していける、という点でとても有利です。大学に通うことの価値も変わるかもしれません。デジタルネイティブな世代がこれからの世界の中心になります。
わたしも継続的に応援できるように、しっかりコロナ後のビジネスに取り組んでいきたいと思います。